日にち:2016年2月20日(土)
会場:小金井南中学校体育館
春の訪れを告げるnkw2月公演「Get Ready 2016 ~今年も2月がやってきた!~」が2月20日、小金井市立南中学校体育館にて開催された。当日は冷たい雨が降りしきる最悪のコンディションながら超満員。寒さを吹き飛ばすような熱戦の数々に、会場は大盛り上がりだった。
≪第1試合≫ タッグマッチ
『ARフォークス&RYO』 VS 『亀田勃起&ケツメド・ヨネ(アナルタートルズ/NUWA)』
ARフォークス
RYO
VS
亀田勃起
ケツメド・ヨネ
『×ARフォークス&RYO』 VS 『アナルタートルズ(亀田勃起&○ケツメド・ヨネ)』(NUWA)
※15分03秒 アニマルこんにちは
学プロ界きっての名タッグチームが貫録勝ちだ! 息がぴったりのアナルタートルズが主導権をしっかりとにぎってゆずらず、最後は合体技“アニマルこんにちは”で勝利。一方のAR&RYOは健闘したものの、どこかぎこちなさが目立ち、有効な手を打てないままだった。
若さあふれる“ど真ん中”のレスリングが展開された。序盤は互いを探るような静かでじっくりとしたレスリング。
しだいにアナルタートルズがたくみにペースを引き込み、主導権をにぎった。終盤にはARが大技を中心に亀田を攻めたてる場面もあったが、最後はアナルタートルズの怒とうのラッシュから「アニマルこんにちは(チョークスラムとガンスタンの合体技)」で敗北。 試合後、ARとRYOはチーム名を「新世代軍」か「ニュージェネレーションズ」にするかでまたもや揉めたが、チーム名の決定は棚上げに。とりあえずは「Twitterの相互フォロー」をすることで和解したようだ。
今後のゆくえが注目される。
≪第2試合≫ スペシャルシングルマッチ
『大腸ケア』 VS 『キョウシロウ』
大腸ケア
VS
キョウシロウ
○『大腸ケア』 VS ×『キョウシロウ』
※10分00秒 胴締めフルネルソンホールド
学プロ以来の盟友対決は大腸ケアに軍配があがった。互いのプロレス頭を駆使したクラシカルな戦い。最後は胴締めフルネルソンホールドでケアが勝利したものの、敗れたキョウシロウにも勝機は十二分にあり、その差は紙一重だった。
序盤は互いに首から腕、腕から足というように“極められるところはすぐに極める”という、まさに“王道“のグラウンドレスリングが展開された。キョウシロウがやや優勢ながら、ケアも負けじと応戦。2人が織りなすクラシカルなレスリング。観客の目はただリングにのみ向けられた。息をのむ見事な攻防。 ゆるやかながらも、確実に、しっかりと試合の流れはすすんでいった。キョウシロウがフェイスクラッシャーやドロップキックを繰り出せば、ケアも一本足ハンマーやアトミックドロップを繰り出す。古典的ながらも説得力のある技の数々に、観客は引き込まれ、歓声をあげた。 最後はケアが胴締めフルネルソンホールドでキョウシロウを撃破。つなぎ技になりがちなフルネルソンホールドを必殺技に昇華せしめたケアの上手さ、“プロレス頭“がキラリと光った。また、敗れたキョウシロウもその健在ぶりをまざまざと観客にしめした。何度でも見たい、そう思わされた見事な試合だった。
≪第3試合≫ nkwMD王座選手権 3wayデスマッチ
王者『タケダリュウノスケ』 VS『ダスティ・ソーローデス』(SWS学生プロレス) VS 『Mr.Money』
タケダリュウノスケ
VS
ダスティソーローデス
VS
Mr.Money
×『タケダリュウノスケ』 VS『ダスティ・ソーローデス』(SWS学生プロレス) VS ○『Mr.Money』
※22分46秒 コンクリートブロック上へのミリオンショット
Mr.Moneyが第23代nkwMD王者となる。
やはり業界1だった―血みどろの闘いに終止符をうち、Mr.Moneyが4度目のMD王座戴冠に成功した。受けの強さを見せつけ、最後はミリオンショットでタケダから見事な勝利。タケダも自ら額を切り刻んで覚悟の強さを示したが一歩及ばず。ダスティも学プロ同志の技を繰りだしたが、勝機をつかめなかった。
あらかじめ画鋲を募集したこの試合。当日には幾千もの画鋲が集まった。試合では画鋲やアイテムがとびだし、その破天荒で、壮絶な戦いに観客は酔いしれた。入場時に、タケダがブロックwith刃、ダスティが有刺鉄線ボード、Moneyが木刀をそれぞれリングに持ち込んだ。三種三様のアイテムの数々。これから一体全体どんな戦いが繰り広げられるのか―そんな期待感が会場に満ちていた。のっけから3人は期待に十二分に応えてみせた。リング上にまんべんなく散らばったキラキラと光る画鋲。その上でバンプをとるのは序の口に過ぎなかった。タケダがダスティの口内を画鋲で満杯にしてナックル。ダスティはMoneyの背中にコンクリートブロッククラッシュ。Moneyはブロックwith刃の上にタケダをたたきつける。3人の意地が伝わる攻防に、観客はただ驚きの声を上げるばかりだった。試合が進むにつれて3人の身体はいつのまにか傷だらけ。タケダにいたっては刃で額をみずから切ってみせた。まさに壮絶な試合。タケダが雪崩式ブレーンバスターを仕掛ければ、ダスティは学プロ同志の技をタケダに仕掛けるという互いの覚悟が交錯した。そんな展開を打ち破り、熱戦に終止符を打ったのはMoneyだった。イスでダスティの頭を打ち抜いて追い払うと、タケダをブロック上でゴッチ式パイルドライバー。そして、ミリオンショットwithブロックでピンフォール勝ち。決死の空中飛行でMD王座をnkwに奪還し、新王者となったMoney。やはりこの男は業界1だった。試合後のマイクでMoneyは、タケダとダスティを「面白かったよ。またやりたかったらおいでませ」と称賛。だが今後についての発言は特になく、MD王座戦線は混迷の一途をたどりそうだ。
≪第4試合≫ セミファイナル nkw王座戦 シングルマッチ
王者『尾谷 友洋』 VS 挑戦者『キング・ペンギン』(nkw/IWP)
尾谷友洋
VS
キング・ペンギン
王者○『尾谷 友洋』 VS 挑戦者×『キング・ペンギン』(nkw/IWP)
※17分07秒 ラリアット
尾谷友洋が2度目の防衛。
極悪王者・尾谷が、挑戦者・キングペンギンをくだして2度目の防衛に成功した。悪の力を駆使しつつも、持ち前のパワーをいかんなく発揮。最後は豪腕を一閃して勝利した。ペンギンも健闘したが、王者の馬力の前に涙をのんだ。
nkw1のベビーフェース・キングペンギンは闘志でメラメラと燃えていた。必ずベルトを正規軍に取りもどす―そう決心したのは昨年12月興行。わがもの顔でのさばるBADから、袋叩きにあっていたRYOを救出したペンギン。その心には極悪・BADにたいする怒りがふつふつとわきおこっていた。一方の極悪王者・尾谷はBADのメンバーであるサカイと西崎を引き連れて入場。その腰にはさんさんと輝くnkw王座がまかれているはずだが、なぜかない。どうやら忘れたようだ。こういった点からして、さすがヒールだと言わざるをえない。序盤はペンギンが各種アームホイップや細かなインサイドワークで尾谷を翻ろう。その流れるようなムーブに観客の目線はくぎづけになった。このままペンギンがペースをつかむかに思われたが、尾谷がBADをリング上に引き入れ、ペンギンを袋叩きに。だが、打倒BADに燃えるペンギンは自力で苦境から脱出してみせた。尾谷・サカイ・西崎をリング下に追いやると、見事なトペコンヒーロ。華麗で説得力のある空中殺法で悪党を蹴散らした。ここから、ペンギンはフライングラリアットや腕極めジャベ、丸め込みで尾谷を攻める。やはりヒールといっても王者。懐の深さはずば抜けていた。ペンギンの怒とうの攻撃をすべて受けきると、カウンターの昇天から豪腕一閃。ラリアットでペンギンからピンフォール勝ちをうばい、2度目の防衛に成功した。尾谷の試合後のマイクはあまり聞き取れず。ベルトを忘れた理由を語り、リングを後にした。一方のペンギンは「ひとり正規軍としてnkwを守る」と決意表明。BADに対して改めて宣戦布告をした格好だ。nkwのリングはいったいどうなってしまうのか。今後のゆくえに期待したい。
≪第5試合≫ メインイベント ~タッグ王座復活!~
nkwタッグチーム王座選手権 4wayラダーマッチ
『インセーンボーイズ』 VS 『B.A.D(サカイ&西崎雄鬼)』 VS 『サイコホリデイ&チンカス・ハーン』 VS 『菊・門タロー&左曲がり翔太郎(スーパーオリジナル)』
Insane Boyz
サイコホリデイ
チンカス・ハーン
VS
サカイ
西崎雄鬼
B.A.D
菊・門タロー&左曲がり翔太郎
○『インセーンボーイズ』 VS 『B.A.D(サカイ&西崎雄鬼)』 VS 『サイコホリデイ&チンカス・ハーン』 VS 『菊・門タロー&左曲がり翔太郎(スーパーオリジナル)』
※33分53秒 カオスストリークマンjrがベルト奪取
Insane Boyz が第10代nkwタッグチームチャンピオンとなる。
四者四様の“カオス”な闘いにケリをつけたのはインセーンボーイズだった。スーオリにメタメタにされながらも屈しなかった801。黙々と着実にベルトを取るべく闘ったカオスストリークマン。相反する2人の絆の深さが勝利の要因だ。一方、各チームとも奮闘したが、スーオリの自由さに引っ張られてか、惜しくも勝利を逸した。
まさに“カオス“だった。四者四様のタッグチームがリング上で相まみえた。形容しがたい、独特のスタイルが人気のインセーンボーイズ。極悪ヒールユニットBAD。断捨離男・サイコとチンカス。そして、鬼才・菊門タローと左曲がり翔太郎。この4チームによる”おもちゃ箱をひっくり返した“ような闘いがくりひろげられた。この試合はリング中央にあるラダーを使って、天井からつるされているベルトを取ったものが勝つというルール。このラダーが大きな役割を果たした。序盤、カオスストリークマンが首にラダーをひっかけ、“テリーファンク状態”でリング上を大掃除。場外へふっと飛ばした。
ここで恐るべき攻撃が展開された。翔太郎がいきなりひなあられをとりだすと、菊門タローやセコンドとともに口に押しこんだのだ。801がもだえている間に二の矢を準備していた。なんとタバスコだった。普通では考えられない量のタバスコを、口の中に流し込んだ。激痛のあまりのたうち回る801。普通の草プロではまず見かけない、とんでもない光景だ。この間には各チームがラダーに登って、ベルトを取ろうとするが邪魔が入ってとれない。すると、またもや“奇想天外”な攻防に。脚立を神輿のように担ぎ、騎馬戦で対決したのだ。スーオリ・インセーンの連合軍 VS BAD・サイコとチンカスの連合軍。大将は菊門タローとチンカスハーン。互いにもみくちゃになるが、勝ったのはスーオリ・インセーン連合軍。
リング上に戻っても“奇想天外”な攻防は続いた。互いに入り乱れて拝みわたり。それが終わるや、すぐにラダーに殺到。ここではラダーからの断崖式河津掛けなどの危険な攻撃などが相次いだ。そんなカオスな闘いにケリをつけたのがインセンボーイズだった。ラダーを登ると、スルスルっと、あれよあれよという間にベルトを奪取。観客は驚きと喜びの声をあげて、新チャンピオンを歓迎した。
試合後、サイコホリディと菊門タローが乱闘を開始。周囲のストップもきかず、サイコが危険な高角度ジャーマンを繰り出すなど荒れた展開に。マイクでは、菊門タローが「このヘルシー野郎」と口汚くののしり、対決を要求した。現在nkwの一大勢力となっているスーパーオリジナル。今後の動向に注目したい。